2017年3月6日月曜日

ローマ法王

 イタリアに卒業旅行へ出かけていた娘から、旅の心配をする親に数日おきに観光地で撮った写真が送られてきた。中でも驚いたのは、「ローマ法王に会っちゃいました」となんだか呑気な表題つきでのラインの動画だった。
 4人の女子大学生の旅は、クライマックスにバチカン市国へ出かけたようだが、彼らは入場規制がされる中、しかも入口で整理券が配られていた気配もするりと抜けて中に入り大勢の様々な言語が飛び交う人波をかき分け空いている椅子に座った。4人で渡れば怖くない?この図々しさに驚くけれど、彼らは「いったいこの広場にこんなに沢山の人たちが集まって何が始まるのだろうか?」と思っていたようだ。しばらくすると、ローマ法王が小さな一人乗りの電気自動車のような車に立ち乗り、歓喜の花道をやってきた。
娘が送ってきたその動画をカトリックの信者の友人にラインで転送すると、この出来事に説明をしてくださった。周りにいる方々は世界中から法王に会うために、それぞれの国から申し込みをし当選したほんの一握りの方々で、目の前を通られる1分ぐらいの為にいろいろな準備をして祈ってやってきているのだそうだ。
4人の日本の娘たちは、申し込みもせず整理券も取らず、どこかの国のどなたかの予約席に何も知らずに座り旅の疲れを癒していたら、なんと周りのご婦人や紳士たちが喚起する中、気が付いたら「法王に出会えた」というわけだ。なんてことでしょう!!
まして、うちの娘ときたら座っていた椅子の隣に立っておられた優しそうな老婦人に、「あなたは、背が小さいのだからその椅子に乗ってビデオは撮ったらいいのよ!」と言われ、彼女はとっさに椅子の上に立って動画撮影に臨んだ。お恥ずかしいことです。。。
帰国後、一部始終を聞きあきれる母の「その婦人は、一体どこの国の方で、何語だったの?」の質問に「わからない(笑)ジェスチャー付きだったから、きっとそう言われているのだろうと思って」=旅の恥はかき捨て= 優しいカトリックの方々でよかったね。
憐れみ深い主よ、旅の思い出をありがとうございました。(N)